ベトナム語翻訳で起こりうる間違いは?具体的な事例を3つ紹介します。

日本語からベトナム語への翻訳は、敬語体系や文法構造など両言語の違いにより誤解が生じやすい点が特徴です。近年は日本国内に住むベトナム人も増えているため、ベトナム翻訳のニーズと重要性も高まっています。

今回はベトナム語の翻訳で起こりうる間違いの事例を3つ挙げ、それぞれの対策についても解説していきます。事前にこれらを把握することで、ベトナム語を通して実現したいサービスや事業の円滑化にもつなげらえます。

ベトナム語の基礎知識

具体的な事例に触れる前に、まずベトナム語の言語的背景について整理しておきましょう。ベトナムは東南アジアのインドシナ半島東部に位置し、人口は約一億人以上います。

公用語はベトナム語(Tiếng Việt)で、人口の大多数を占めるキン族(Kinh)の母語が基盤となっています。ベトナム語には6つの声調があり、高低によって意味が変わる「声調言語」と言われています。

同じ単語でも発音によって全く異なる意味になることもあり、音の聞き分けが重要な言語とも言えます。

また、相手との関係性(年齢、性別、親密度)によって人称(私、あなた、彼、彼女など)が細かく変化することが特徴的です。

ベトナム語翻訳で起こりうる間違い3選

事例①: 敬語の扱いで印象が変わる

日本語の丁寧表現は数多くありますが、ベトナム語の丁寧さは日本語ほど層が細かくありません。そのため、ベトナム語を日本語の重ねた丁寧表現をそのまま訳すと過度に形式的、または意味が不明瞭になることがあります。

対策としては、言語構造の違いを理解した担当者が、相手の社内/社外や役職など立場を整理したうえで、ベトナム語で一般的に用いられる簡潔な丁寧表現に置き換え、要件を具体的に示すことが有効です。

事例② :主語省略による人称の違い

ベトナム語では、相手との関係性(年齢、性別、親密度)によって人称(私、あなた、彼、彼女など)が細かく変化することが特徴的です。

相手との関係あなた (二人称)私 (一人称)
自分より年上の男性Anh(アン)Em(エム)
自分より年上の女性Chị(チ)Em(エム)
自分より年下の男女Em(エム)Anh もしくはChị

一方で日本語は主語を省く習慣があるなど、主語に関して両言語における位置付けの違いが存在します。

翻訳ツールは文脈補完が必ずしも完全ではないため、文脈不足の箇所に翻訳者やツールが不適切な人称代名詞を挿入してしまうことがあります。したがって、日本語とベトナム語の構造的な違いを踏まえた翻訳が必要です。

事例③:語順の誤りによる意味関係の変化

前提として、日本語とベトナム語では、文の組み立て方が異なります。

・日本語:「主語→目的語→動詞(SOV)」型が基本
・ベトナム語:「主語→動詞→目的語(SVO)」型が基本

例えば、日本語の「彼はレポートを作成しました」は、ベトナム語では「Anh ấy đã làm báo cáo.(彼は作成したレポート)」の順になります。

このように語順の違いがあるため、日本語の語順をそのまま訳すと意味が取りにくなることもあることから、ベトナム語の言語的背景を理解した上での翻訳が必須となります。

まとめ

日本語からベトナム語への翻訳は、語順・敬語体系・人称代名詞・声調などの言語構造および文化的背景の違いにより、誤解が生じやすいことが特徴です。これらの基本を押さえることで、誤訳のリスクを下げられ、ベトナム人向けに信頼性を高めることができます。

また、近年は機械翻訳の精度も上がっているため、翻訳のしやすさは高まっており、スピード面を重視する場合は有用なやり方です。

ただし、重要書類など文書は専門翻訳者への依頼が有効です。加えて、SNS投稿や外部向けのマーケティングコンテンツなどは、日本語・ベトナム語における双方の言語や文化を理解する担当者による校正を行うことで、誤訳の伝わりにくさを下げられます。

特にマーケティングにおいては、コンテンツのローカライズという観点で双方の文化的な理解が重要となります。

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上田一輝

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