【海外在住歴8年半が考える】海外移住でポイントとなる環境変化への順応について

海外移住を考える際、多くの人は渡航前にさまざまな情報を調べると思います。

内容としては、移住先の文化や気候、物価、治安、ビザなど、調べられる情報は多岐にわたります。

特に年齢や社会人としての経験を重ねるほど、海外へ移住する前に入念な情報収集をするようになるのではないでしょうか。

事前に情報を集めておくことは重要ですが、私自身がオーストラリア、シンガポール、ベトナムの3カ国で生活してきた経験からすると、どれだけ事前に調べても、実際に現地で生活してみなければ分からないことは数多くあります。

今回は、私自身の海外生活を振り返りながら、実際に住んでみて初めて分かったことについて紹介していきます。

海外移住前に分かることと、現地で初めて分かること

私がこれまで暮らしたオーストラリア、シンガポール、ベトナムは、それぞれ大きく異なる国です。例えば、オーストラリアは英語圏の先進国で、広大な自然や比較的ゆったりとしたライフスタイルが特徴です。

シンガポールは同じ先進国でも、都市機能が発達しており、ビジネスや効率性を重視する社会です。

一方、ベトナムは東南アジアの新興国で、経済成長の勢いが強く、都市部では急速な開発が進んでいます。

こうした違いは、インターネットで調べればある程度把握できます。今では気候や公用語、経済状況や治安など、海外移住に必要な基本的な情報からより深い洞察までも簡単に調べられるようになりました。

しかし、実際に生活を始めてみると、こうした情報だけでは分からない部分がたくさんあります。

例えば、現地の人とどのくらい自然にコミュニケーションを取れるのか、仕事以外の人間関係をどのように築くのかといったことです。

こうした部分は、実際にその国で生活してみなければ分かりにくいものです。私自身、3カ国で生活したことで、事前に想像していたことと、実際に暮らして感じたことには、少なからず違いがありました。

オーストラリアで感じた文化的な距離

私が初めて長期的に海外生活をしたのは、オーストラリアでした。

2015年半ばからシドニーにあるEF Sydneyという語学学校でで約1年間ほど留学をして、毎日英語漬けの生活を送りました。

その後、タウンズビルにあるジェイムズクック大学へ進学しました。この大学はオーストラリア北部のタウンズビルという都市にありまして、温暖な気候で非常に過ごしやすい街でした。

合計すると、2015年半ばから2019年末まで、4年以上オーストラリアで生活しました。

オーストラリアでの生活そのものには非常に満足していました。

オーストラリア人はフレンドリーで気さくな人が多く、広大な自然もあり、都市部でも日本とは異なるゆったりとした時間の流れを感じられます。

これほどのびのびと生活できる国は、世界的に見ても多くないのではないかと感じるほどでした。

一方で、長く生活する中で、コミュニケーションについては難しさを感じることもありました。

ここでいうコミュニケーションとは、単純に英語が通じるかどうかという話ではありません。私自身、大学生活を通して英語力も伸ばしてい畳め、英語そのものが大きな問題ではなかったです。

具体的には、文化的なバックグラウンドの違いによって、親しい関係になるまでの距離感に難しさを感じることがありました。

大学の学生や教授はフレンドリーで話しやすい人が多かったものの、ある程度親しくなった後でも、どこか深い部分まで話が通じにくいと感じる場面があったのです。

あくまで私自身が長期間生活する中で感じた、個人的な感覚という点はあらかじめご理解ください。

実際、オーストラリアの文化や人々とのコミュニケーションの方が合う日本人もいるため、留学をきっかけに永住を考える方もいるくらいです。

重要なことは、この国の文化が自分に合うかどうかは、実際に生活してみなければ分からない部分はあるということです。

シンガポールで気がついた発見

ジェイムズ大学卒業後、私はシンガポールへ移住しました。

シンガポールを選んだ理由はいくつかありますが、その一つが「アジア圏の人々との方がコミュニケーションを取りやすいのではないか」と考えたことでした。

実際にシンガポールで生活してみると、同じアジア圏出身の人たちとは、オーストラリアにいたときよりも自然体でコミュニケーションを取れている自分に気づきました。

もちろん、シンガポールは多文化の国なので、一括りにすることはできません。

それでも、アジア圏に共通する文化的な背景や価値観によるコミュニケーションのしやすさはどこかある気がします。

このシンガポール移住をきっかけに、他の東南アジア諸国への関心も強くなっていきました。

これはあくまで私自身の感覚や価値観によるものです。先ほどのオースラリアの事例と同じように、欧米の文化やコミュニケーションの方が自然に感じる人もいるでしょう。

どちらが正しいという話ではありません。むしろ、自分がどの文化圏に適応しやすいのかを、実際の生活を通して確認することが重要なのだと思います。

正直なところ、私はオーストラリアへ渡航する前は、欧米文化にも問題なく適応できるだろうと考えていました。

ところが、実際に4年以上暮らしてみると、文化にはある程度適応はできましたが、よりアジア諸国の方が自身に合っているのではと思った次第です。これは、渡航前にインターネットで情報を集めるだけでは、なかなか分からなかったことです。

ベトナムで感じた日本への関心の高さ

私はシンガポール移住後は、ベトナムのハノイに移住しました。

ベトナムで印象的だったことが、日本への関心の高さです。ベトナムでは日本語を学んでいる人も多く、現地で日本語を専攻していたという人と出会うこともありました。

国際交流基金の「2024年度 海外日本語教育機関調査」によると、日本語を学習者しているベトナム人は16万4千人程です。

日本語を学んでいる理由は人それぞれですが、日本への留学や就労、日本企業への就職などを目的としている人もいます。

例えば、現地の大学生が日本語を学び、日本企業への就職を目指すケースもあります。

これは日本人が英語を学び、外資系企業への就職や海外でのキャリアを目指すことに近い部分があるのではないでしょうか。

また、日本とベトナムの人的交流も盛んです。出入国在留管理庁の統計によると、2025年末時点で日本に在留するベトナム人は68万1,100人程で、中国に次いで2番目に多い人数となっていました。

こうした背景もあり、ベトナムで生活していると、日本とのつながりを感じる場面が少なくありません。

これは、海外移住や海外ビジネスを考えるうえでも興味深いポイントだと思います。

海外移住では、問題が起こることを前提にしておく

ここまでの話を振り返ると、海外移住では事前の情報収集が必要ないということではありません。

むしろ、現地のビザ要件や物価、気候、文化など、事前に調べられることはできる限り確認しておくべきです。

ただ、現実としてどれだけ調べても、実際に住んでみなければ分からないことが必ず出てきます。

私自身、オーストラリアでは文化的なコミュニケーションの違いを感じ、シンガポールではアジア圏のコミュニケーションのしやすさに気づき、ベトナムでは大気環境などの生活上の課題を経験しました。

これらは、渡航前の情報収集だけでは完全に予測できなかったことです。

だからこそ、海外移住では「問題が起こらない国」を探すよりも、問題が起きたときに、自分がどのように適応できるかを考えておくことが重要なのだと思います。

まとめ

海外移住をする前には、できるだけ多くの情報を調べておくことが大切です。現地に行けば、必ずと言っていいほど想定外のことが起こります。

文化や人間関係、仕事、食事、気候、交通、住環境など、日本で生活しているときには想像しなかった問題に直面することもあります。

特に初めて海外に住む人は、問題が起こること自体は当たり前というくらいの気持ちでいた方が、現地で余裕を持って対応しやすいのではないでしょうか。

海外移住において重要なのは、自分に合う国を見つけることだけではありません。

実際に生活してみて、想定外の環境に直面したときに、自分自身の生活スタイルや考え方を調整していくことも大切です。

私自身も、オーストラリア、シンガポール、ベトナムと異なる国で生活したことで、初めて自分に合う環境や価値観が少しずつ分かるようになりました。

海外移住を考えている方は、事前にできる限り情報を集めながらも、実際に行ってみなければ分からないことがあるという前提を持っておくことをおすすめします。

この記事を書いた人

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上田一輝

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